◇ 一時(昭和50年代)、空亡のことを天中殺などといって、世間を騒がせた人がいますが、空亡も天中殺も同じものであります。
◇ 今から、500年前頃は、四柱推命の考え方も初期の段階ということで、吉の働きをするもの、凶の働きをするものに分けて、単純に判断していたようで、吉の働きをするものは神(しん)と呼び、悪い働きをするものは殺(さつ)と呼んでいました。
◇ 神(しん)は、現在でも重要視する推命家がいますが、「天乙貴人」、「天徳貴人」、「月徳貴人」とか言っているものであります。
◇ 殺(さつ)は、劫殺、元辰殺、桃花殺などと言われているもので、今から説明する空亡もそのうちの一つです。
約170種ほどの悪い働きをする殺(さつ)があるようです。
◇ 一般的には、この神(しん)と殺(さつ)を合わせて「神殺(しんさつ)」と呼んでいます。
また、そういう神殺を用いて、人間の運命を鑑定する方法を「神殺看法」と言います。
◇ 現代では、この神殺看法は古法に属するもので、ほとんど顧みる必要はありませんが、中でも、「空亡」については、それなりの理論的な考え方もあり、まったく無視することも出来ませんので、若干の説明がいろうかと思います。
◇ 干支(えと)と言いますのは、
「十干・・・・甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」と
「十二支・・子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥」
を組み合わせてできていますが、この十干と十二支を組み合わせていきますと、最後に戌と亥が余ってしまいますね。
要は、戌と亥の上には、干(かん)が乗らないということで、このはみ出した二つの支をその旬内(甲から癸までの組み合わせ)の空亡の支というのです。
◇ 支があって、干がないというのは、ちょうど、肥沃な土地があっても、太陽の光と温熱がないようなもので、物が産出できない環境と言えます。
このようなことから、空亡は忌み嫌われていますが、それなりの理屈もあり、むやみに無視することもできません。
◇ この空亡が、生年の支にあれば、親からの援助が得られない生月の支にあれば、兄弟からの援助が得られない生時の支にあれば、子どもからの孝養が得られないなどと判断します。
◇ もし、ある年回りに空亡の支が巡ってきたとしますと、やはりその年は実を結ばないと見るのが正しく、結婚なども何かと障害がおきやすいとします。
◇ ただ、この空亡は命式の地支と歳運の空亡となっている地支とのあいだで、支合や三合、あるいは方合などしますと、その空亡は解消したと判断できますので、むやみに恐れる必要はなく、よく自分の命式の地支とチェックされるのが良いでしょう。
◇ 運悪く、空亡の年回りに結婚したら、いずれは離婚することになると説明している推命の本なども見かけますが、あくまでその空亡は1年限りの巡り合わせであり、翌年以後にその空亡が影響を持つことはさらさらありませんので、ご安心下さい。
◇ 結婚は、自分だけの年回りで決まるものではなく、相手の年回りも大きく影響しますので、その結果、相手の結婚の意識が強く、それに引っ張られて空亡の年回りに結婚することも十分考えられますが、あまり恐れる必要はなく、全て人より一歩下がるような気持ちで処世をされるのが良いでしょう。
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