「人の長所、良いところを見なさい。誰でも良いところの一つや二つはあります。相手の良いところを見るようにすれば、誰とでも折り合っていくことができますよ」と、生き方指南や処世術の本にはワンパターン的に書かれていますが、そのとおり、どんなワルや意地悪な人間にだって良いところはあるものです。
だからといって、長所や良いところを基準にして人を見ては、その人の本質を見抜くことはできませんね。
表向きの交際では、「Aクンって、見かけよりも頑張り屋なのね」とか、「かくれたところで努力しているのでしょう。」とか、よくあるホメ言葉で、思いついたまま適当に言っていれば良い。
たいていは、血液型診断と同様で、当たらずとも遠からず。
いずれにしても、相手が気持ちよくなればよく、言われた相手は悪い気はしないものです。
ただ、それだけでは、相手の本質、あるいはホンネに迫っていくことは難しいです。
それを可能にするのは、人の欠点や弱点を見抜くことです。
人は皆、心の奥底に人に言えないような欲望が渦巻いているものであり、あるいは、人には言えないようなコンプレックスを必ず持っているものです。
具体的には、背が低いとか、オカネがなくて大学に行けなかったこと、親に虐待されたことなど、心の奥に潜むものは人それぞれです。
それが分かったら、仕事やプライベートの人間関係において、微妙なやりとりになったような場合、さりげなく、しかし断定的にそのことを持ち出すのです。
たとえば、学歴コンプレックスがあって、そのことがその人の人生や価値観を大きく影響している人に対して、「Aさん、あなた、学歴に非常にこだわっているでしょう。」とズバリ言うと、相手は自分の本質、ホンネを見抜かれていると思って、一目置くようになるに違いありません。
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