世の中の
人は知らねど 科(とが)あれば
我が身を責める 我が心かな
【歌の意味】
人間だれしも邪悪な心で何かを企んだら、必ず良心の呵責があるという趣旨です。
人間は、生まれながらにして、環境や教育には関係なく、良心というものがあります。その良心の定義は難しいですが、一般的には
① 節度を守る。
② 身を慎む。
③ 何ごとにも我慢する。
④ 身に過ぎた贅沢をしない。
⑤ 自分の言動の行き過ぎに自制を促す。
⑥ 人に対して寛容の心が動く。
⑦ 恥を知る。
というように、どちらかといえば、謙虚さが前提にあるような心が良心ではないでしょうか。
もし、これらに反したような行為があれば、どうしても人間の図々しさが前面に出て、自己主張が過ぎたり頑固になり、人との協調がうまくできなくなり、最後には孤立してしまうものです。
人間は、たとえ①~⑦のような良心が誰の心にもあるものですが、それを虚栄心や欲望が邪魔をして、この良心が心の片隅に追いやられているのが心の状態ではないでしょうか。
いずれにしても、少しでも良心の呵責がない生き方をしたいものですね。
① 名利を喜ぶ人は、かならず恨みが多いです。
② 財を失うことの失は小なり、失の最も大なるものは智を失うことである。
⇒ 先人が残した古歌や辞世の歌から人間の生き方を学ぼう
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