心から
流れる水を せき止めて
己と淵に 身をしずめけり
【歌の意味】
心の中からでてくる欲心をせき止めれば、川の深みに落ち込み自滅してしまうという趣旨です。
石川五右衛門は、辞世の句で「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」と歌っていますが、ほんとうに世の中に盗人がいなくならないのと同様に、人間の心に巣くう欲望も絶えることがありません。
人それぞれに欲心は違うでしょうが、名利に心を奪われる人、女性の肉体に心を奪われる人、ギャンブルに心を奪われる人、オカネに心を奪われる人、麻薬に心を奪われる人、みなそれぞれ欲心という魔物の奴隷になっているのです。
人間は、生まれながらに持っている欲心を、ひとつずつ剥ぎ取っていくことが、己の人生の目的であるのに、それを忘れて、年とともに我欲が深まり、欲心がひとつずつ増えているのはどうしたことか。
① もし、真の自由をを得ようとするなら、心中の奴隷(この場合、欲望)を除くことから始めなければなりません。
② 名利を喜ぶ人は、かならず恨みが多いです。
③ 財を失うことの失は小なり、失の最も大なるものは智を失うことである。
⇒ 先人が残した古歌や辞世の歌から人間の生き方を学ぼう